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断崖、その冬の

最近読んだ本が薄ら寒さ感じさせる作品で、報われない主人公の衝撃的ラストにどうにも落ち着かなくて、読了後、暫くもだもだしてました。
一週間くらいしてやっと落ち着いてきたので、何がこんなに落ち着かなかったのか、自己満足的に書いてみます。


「断崖、その冬の」林真理子さんの本。
簡単に言うと、34歳の女性アナウンサーが年齢的に限界感じて焦って。
いい知れぬ不安に苛まれていた時に、偶然出会った男に惹かれ虜になり依存し、彼が全てで希望になった時、彼女がとった行動は———。


という本です。
本を読みはじめた理由が、前々から官能的な小説が読みたいと思っていて、所謂性描写メインにした小説というよりも文学的な官能描写がある小説が読みたかったんです。
で、ある日突然思い立ち、何が良いのかネットで調べた所、お勧め作家で見掛けた名前が林真理子という作家名でした。
そしてブックオフに行って林真理子さんの小説を何冊か手にして、この本が一番薄かったから選びました。
初めて読む作家さんですし、実はそんなに本を読む方じゃないので、長編は厳しいと思いお試し感覚で手にした本です。

せっかくなので同人脳的人物紹介を↓
枝美子…主人公。大人の女ではあるが中身は乙女ゲーヒロイン
志村 …女の扱いに慣れた乙女ゲーには必ず一人はいるタイプ
金井 …親友という名の処理係。必須アイテムは「封筒」
真美 …なんでも欲しがるマミちゃん
牧内 …はっちゃけマイペース
野田 …一番不憫でバカな人
(総じてみんなで枝美子を振り回すお話。)←おおよそこんな話。


長くなり、ネタバレになると思うので続きは追記に。
興味有る方は是非是非どうぞ。

「断崖、その冬の」というちょっと変わったタイトル。
意味の分からないタイトルだけど、裏表紙のあらすじとタイトルのイメージから考えて、あんまり明るい話でもハッピーエンドでもないのだろうな…と思っていたのである程度覚悟して読むことは出来たのですが…………。
正直キツかったです。
話の内容、キャラの作り方、設定、小説の文章表現、本当に面白く秀逸作品。
変にごたごたした華美な表現や小難しい文章の組み立ても無く、程よく伏線や暗喩もあるので物足りなくも無い。
普段から本を読み慣れてない人でも、1日あれば読み終えられるとは思います。
1つ難点を上げるならば、良くも悪くも所謂女性的な空気が漂っていて、それが全体的に強めに感じられた、という事くらいです。
(多分この作家さん、好き嫌いがかなり分かれるタイプなんだろうなー)

すんごく面白くて、早く続き読みたくて一気に読みました。だけどキツかった。
全体的に漂う薄ら寒い空気感。年重ねた女は用無しという無情さ。漠然とした不安と焦りが絶妙に散りばめられて、さすが女性作家と言いたいくらいに女の心情やら関係が解り易く、その辺じわじわくるんですよ。
この話は女性のやり取りはメインでなくて一応サブ的な位置ですし、全体的に他の女キャラクターが主人公に対して好意的姿勢なのでよかったですが、この作家さんが女同士の抗争とかいじめとか描いたら物凄い上手過ぎて恐ろしいだろうな。と思えるくらいに上手かったです。

その分男性側からの心情は殆ど無いので、それは物語りの端々にある台詞や主人公の枝美子が感じた文面から想像するくらいしか出来ませんが、それくらいで丁度良い。
全てを描くのではなく、ある程度考える余地がある作品の方が好みです。

話を戻しまして、上に二行くらいで書いたあらすじ通り、一応ラブストーリーです。
でもラブストーリーとか恋愛ものという、甘い空気感じる言葉で説明はしたく無い作品です。
恋愛ものというよりも、ホラー。
ずっと意味不明だったタイトルの意味も、ラストを読めばものすっごく納得。
そういう意味で、読了の爽快感はかなり有ります。

女としてアナウンサーとして、そろそろ危うく焦りを感じる34歳の女。
一時はスターダムにのし上がったけど、怪我で一軍と二軍を行ったり来たりの不遇の28歳の野球選手。
お互いの寂しさや不安を埋め合っている時は良いけれど、それが少しでもバランスを崩した途端、一気に崩壊する。

ここまで書くと、もうネタバレになってしまいそうですね。
話を有る程度読み進めて行くと、自尊心や理性で固めた”大人の女性”という鎧を着込んだ主人公の内面にある、ぐだぐだでダメダメなところが物凄くよく解るんですよ。
それが、ある日突然出逢った魅力的で若さ溢れる年下のプロ野球選手の、強引で巧みな求愛によってあっさりと崩壊。
しかし男にチャンスが訪れた途端に、ビックリするくらいの掌返しをされてしまう。
そして最後に彼女がとった行動は————。

互いの事しか考えてないどこまでも身勝手な男と女。というような表現をされている方が居て、言い得て妙でした。
でも女の方に同情してしまうのは、主人公という立場と、男の掌返しが余りにも酷過ぎた事からだと思います。
(志村が枝美子を恐いと言っていたのもわかるんですけどねー。)
頭が良くて理論的で、かなり自分を抑え込んだ暴走しない大人の女性だからこそ、最後の一頁、たった二行だけど威力は半端無い。マジパネェ。
中途半端と言う方もいらっしゃるかもしれないけれど、最高潮で幕引きをする潔い終わり方だと思いました。


※あまりにも救いようが無い終わり方で、自分的に落ち着かないので、スイーツ同人脳が勝手に続きを考えました。
本当に同人的なモノなので反転閲覧注意です。 間違って見てしまっても、なまぬる〜く見守って下さい。




”権利”を放棄し写真を撮り終えると枝美子は志村に別れの言葉と共に、必ず一軍へ復帰して成功して欲しい。自分を捨ててまで選んだ道がどれだけ素晴らしい物か証明して欲しいと告げる。
無くしたものに負けぬくらいの、いや、それ以上の物を必ず掴んでと。

ラジオへの移動を断り、春になると北陽放送を退社。
友人のツテを使い東京で「講師」としての仕事を始め、新たなスタートを切る。
テレビや新聞で志村の活躍を見るも接触は何もなく過ぎて行く日々。
二年後、偶然に再会。また二人でゆっくりと語り合い、今度こそ本当にお互いの為の時間を作りあげていく。


▼もっと中二な内容を織り込むと…

別れた後、枝美子の妊娠が発覚。
東京で一人新たな仕事をし、シングルマザーとして忙しく過ごす中、志村と再会。
最初は誰の子か隠すけれど当然誰が父親か発覚し(以下略)



☆この作品のどうでもいい読みポイントとしては「女子アナ」という単語が出て来ない所。
小説が発表されたのが1996年ですが、その時にはもう「女子アナ」という言葉も出ていた頃でしょうし、解説にも「女性アナウンサー」という表記について書いてあるので、拘りなんだなって思いました。
そういう拘り好きです。

☆メインキャラである志村のことを誰もファーストネームで呼ばない。
親友という金井も恋人である枝美子すらも名前で呼ばない。フルネームが一度出てくるだけで、なんという個性の消し方でしょうか。GJ!!
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